ていねいな暮らし

しづか亭のていねいな暮らし

春と冬のあいだに白縹 ~初春~

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          真っ白な冬に、少しだけ青を足した「白縹」
            だんだん春が近づいています

日本古来の伝統色「白縹(しろはなだ)」。
薄く青みがかった白色を指すそうで、これから春をめざしていくこの時期に、
菜園でよく感じる色合いだと思います。

節分を迎えるまでは、雪の白のイメージが強かった菜園ですが、
立春をこえて、だんだん陽射しも春めいてきました。

写真(上)の左側から朝日が昇るので
菜園のシンボリックな小さな丘も
東側からだんだんに緑の世界が広がってきています。

 

といっても、まだまだ2月。
雪はまだ透明感を残し、キラキラしています。
ずっと触っていたいけど、冷たすぎて長くは持てない。
本格的な春には、すこし遠いのを手のひらで感じます。

 

「雪少ないよね」「異常気象かな」
そのような会話、たくさんしました。
確かに、しづか亭に来るまでの道は雪がなく、
驚くほど運転しやすい冬です。
でも、不思議なことに菜園は雪が溶けきりません。

 

なので、雪の下には、秋に収穫した野菜たちが眠っています。
一度掘り起こして、まとめて土中に置いたものを、
さらに上から雪をそっとかぶせる。

 

「雪室(ゆきむろ)」と呼ばれる冬場の保存方法です。
冬の寒さから身を守ろうとする野菜たちは、
凍らないために糖度が増えます。

 

今日もお客様のために、雪の下から掘り出して、
甘みたっぷりの野菜を使います。